<前回よりつづき>
面積が50倍、と聞いても想像が難しいかもしれませんが、東京ドーム50個分の広さの公園と東京ドームの面積比と同等、あるいは50年間誰にも話さなかった秘密が1秒で全世界に知れ渡ってしまった時の焦燥感と同等と言ったら、いくらかわかりやすいでしょうか。
まだピンこないという方がいらっしゃったとしても、面積が40倍よりは確実に大きな差があるわけですから、違いは歴然です。
ではセンサーサイズが大きくなると画質にどのような影響があるのでしょうか。
一つは高感度性能の向上です。暗いところでも荒れの少ないクリアな映像を収めることができるようになります。
これからの季節で言うと夜のお祭りでの撮影、お化け屋敷での撮影(お化けの撮影ではありません)、その他にもおしゃれなレストラン(例外なく薄暗いものです)での撮影、2本のうち1本の蛍光灯が切れたままになっている実家のリビングでの撮影などで絶大な威力を発揮してくれることが期待できます。
もう一つ大きな違いが出るのが被写界深度です。
被写界深度とは、ピントが合っているように見える範囲のことです。センサーサイズが大きくなるほど被写界深度の浅い、ボケ(ちなみに英語でも”Bokeh”とかいて”ボケ”と読みます)の大きい写真を撮影することが可能となります。
ピント面から背景に向かって大きくボケていくことによって、被写体が浮かび上がるような、立体感のある描写となります。ボケを際立たせると、ぱっと見でスマホや安価なデジタルカメラで撮ったものとの違いが分かる、いわゆる”プロっぽい写真”になると言われます。
この効果を安易に使いすぎるのは良くないともされるのですが、ボケの量はその他の要素によってコントロールすることが可能なので、フルサイズ機であってももちろん被写界深度の深い写真を撮ることは可能です。つまりは、幅の広い表現が出来るということになるのです。
<つづく>