<前回よりつづき>
まずはオートフォーカス性能です。
説明するまでもないかもしれませんが、これは狙ったところにピントを合わせる性能のことです。
特に差が出るのが動体AFと言われる、動きのある被写体へのフォーカスの追従能力です。
風景や、ポーズをとって待っていてくれるような人物撮影などにはどんなカメラでも基本的にピントは合ってくれるものですが、よくあるケースとしては、運動会で走っている子供の姿を撮りたいとか、野生の動物、特に飛んでいる鳥を撮影したいなどという希望があればこの性能を十分に吟味しなくてはならないでしょう。
長きにわたり、この性能に優れるとされてきたのがキヤノンとニコンです。これが、プロの使うカメラといえば現在でも圧倒的にこの2メーカーである理由の一つです。スポーツカメラマンはもちろん、報道カメラマン、ロケーションでのポートレート撮影など、動きのある被写体の撮影においても撮り逃しをすることは許されないわけですから、この性能は非常に重要視されてきました。
ただ実際のところ他メーカーとのこの性能差は小さくなってきていると言えます。
ソニー、パナソニック、オリンパスなど各カメラメーカーのAF性能の進化は著しく、動きのパターン、シチュエーションによっては先行してきた2メーカーを超えている部分もあると言って良いほどです。
例えば近頃ソニーが発売したフラグシップ機のAFポイント数(いくつのポイントでピントを合わせることが可能か)693点、動体撮影時にAF性能と共に重要だと言われている連写枚数の20コマ/秒はともにキヤノン、ニコンのフラッグシップ機を大きく上回るスペックです。
スペックで勝っていればそちらの機種の方が優れているというわけではないのですが、この機種の発表が大きな驚きをもって迎えられたのは事実です。
この機種の登場にも表されるように、少なくともプライベートでの使用を想定した機種の選定において、AF性能によってメーカーを絞る必要はほとんど無い、ということが言えるでしょう。メーカーにとらわれるのではなく、各機種毎のAF性能の差を見極め、自らの用途に合ったものを選択することが重要です。
<つづく>